ちょっと今回いろいろ調べすぎてわけわからなくなっているので、文章にしておきたいと思いました。読み物というか雑記ですが、よろしければ。割と面白いのではないかなと思います。
約束の日、JUDGEMENT DAYはもうすぐそこまで来ています。
まず既報から
GoogleはPixel6(早ければPixel5)からSamsungのSoC「Exynos」を使うだろうというニュースが春に上がっていました。
理由は大きく2つ。
- Snapdragonはカスタマイズできない
- Snapdragonはコストが高い
なるほど?わかったようなわからないような。
腑に落ちない部分を抱えつつ迎えたApple iPhone SEの登場で腑に落ちました。
Pixel4までの事情
現在のSnapdragon8シリーズで独占されたAndroidハイエンドスマホで、Googleの画像技術を余すことなく発揮するためには、Googleが開発した画像処理チップを併設する必要があります。
したがってPixel4ではSnapdragon855+Neural Coreという形になりました。
これは、暗に画像処理がSoCに統合されていないことを示しているわけですが、つまり逆説的に消費電力的に弱いということになります。SoCに統合されればバッテリー効率が上がることは間違いがなく、(HTC的に)製造にノウハウがあるGoogleからすればカスタムできないSoCはデメリットでしかありません。
そこへ調達コストがお高いとくれば、現在求められているお安いスマホを製造するためにお安いSnapdragon765Gに乗り換えるのもしょうがないのかな?という。
また、(ゲーム以外の)GoogleのサービスはAIベース(つまり画像処理)なので、Neural coreがあれば、メイン処理装置に尖った処理速度を必要としないというところもあり、Pixel5では765G(あるいは768G)になるのでは?とされているわけです。
つまり、これらを判断すると、自社サービスをお安く届ける、これが次回以降のGoogleの答えです。
つまりこれは、Googleが次の主戦場にアッパーミッドレンジ(つまりインド)をターゲットにしたということがわかります。
ちなみにインドの総人口は、近いうちに中国を超えるとされています。
そして迎えるAppleのiPhone SE
なんとアップルがミッドレンジに殴り込んできました。
しかもSoCは A13 Bionic とフラッグシップSoCでした。
これが何をしめしているか、なにが象徴的かというと、最新SoCだから速いというところではありません。
A13 BionicにはAI処理(画像処理)が統合されているというところです。
アップルでは、SoCを自社開発しているため、画像処理チップというチップは存在しません。常に統合されているためです。これは消費電力やコストにメリットがありますが、お安いスマホを作ろうとしたとき、AI処理だけを分離することができないことも意味します。
したがって、単眼背面カメラでAppleのカメラ体験(ポートレートモード)をユーザーに送り届けるためには、今ラインが動いているA13を増産する以外に選択肢がなかったと思われるのです。
現実的に、新iPhoneSEはiPhone8と同じようなボディ(パーツもバッテリー以外はほぼ互換性があるとか)で単眼カメラですが、iPhone11に迫る写真が撮れると好評です。
これはAIエンジンが、カメラから入力された画像データを適切に補正するためで、補正処理は世代を追うごとに精度があがります。
ポートレートに限ったAI処理ではありますが、もう3年もすれば、単眼でも3眼のiPhone11に匹敵する写真が取れるようになるでしょう。
このA13 Bionic登用にエグみがあるのは、そういう話だから、なのです。
Googleが目指すPixelシリーズの先にあるもの
現在のGoogleフラッグシップであるPixel4は、バッテリー性能を筆頭に、あらゆる点において、その他のフラッグシップスマホより劣っています。が、それでもPixelの名を冠している理由は「カメラ性能」であり、この点においては、あらゆるフラッグシップスマホの先を行きます。
Pixel4は「Googleが本当に作りたかったスマホ」となっています。これは先日退任したカメラ機能統括とPixel部門統括のお二人の本当に最後の仕事だったと思いますが、次世代のエンジニアに残されたPixelシリーズの行く末はどうなっていくのでしょうか。
わたしは、上記諸々の理由から「誰もが手に取れる価格の最高のカメラ機能搭載端末」であると思っています。
単眼から2眼になってもなったなりのAI処理を描けるGoogleならではの戦略です。
余談になりますが、Androidの父アンディールービン氏が、Androidを最初に売り込みに行ったのはGoogleではなく、Samsungだったといいます。しかしSamsungの上層部はそのプレゼン後「これは冗談だろう?」と聞いてきたという話が伝わっています。その後、Googleが買収、ニュースを聞いたSamsungは後日、手のひらを返し、最高の条件を提示しましたが、とき既に時間切れであったとのこと。面白い話ですよね。
このアンディールービン氏が持ち込んだAndroidはもともとカメラ用に書かれたコードだったことも知られており、なかなかおもしろい符号になっています。
これから起こる出来事としては、
- Exynos搭載Pixelシリーズの登場
- Neural coreのSoC統合(場合によってはExynosのリブランド)
となり、AppleがSoCを自社開発している図式にGoogleが肩を並べるのではないかと。
そこで初めて、Googleは「本当に作りたかったスマホ」から「本当にユーザーに届けたかったサービス」に転換できるのではないでしょうか。
ちなみにExynosはGalaxy Noteシリーズの本国(韓国)向け端末に利用されています。
以上で妄想おわりです。
まとめ
前回のGoogle I/Oでも既にインドに絞った話題作りが始まっていましたし、お安いスマホをつくるはおそらく命題になっていると思われます。
人口比率的に、しかもスマホ普及率からも、主戦場はインドでほぼ確定。
そして、Snapdragonの調達コストが高すぎる件、とくれば、SoC開発に乗り出す話になると思うのですが、ここに渡りに船でSamsungのExynosが、本国で開発中止を求められている始末なわけです。
あるいはPixelシリーズ専売用のExynosになってもおかしくない場面です。
Snapdragon8シリーズには及びませんが、調達コストによっては面白い戦いができるのではないかと思います。
どうです?ワクワクしませんか?