最新の流れはこちら。
- Googleの公式コメント(ツイッター)を追記しました(2019-05-20 13:53)
- Intel、Qualcomm、Broadcom、Xilinxが相次いで取り引きを停止したとブルームバーグが報じました。(2019-05-20 15:38)
- 一時的なライセンスが発行(2019-05-21 8:33)
- 流れをタイムラインで追う記事を分離しました(2019-05-26 10:00)
ドコモの2019夏モデルに HUAWEI P30 Pro が登場しました。その前日にはトランプ砲も。ZTEの時にはアップデートが停止されましたが、少なくとも同様の状態になるとは考えられます。
このような動きの中、現在手元にあるHUAWEIのスマートフォンがどういうことになるのか、未発売のP30 Proがどのようになっていくのか、その可能性を見ていきます。
予約開始
既に5月16日正午より、予約受付が開始されています。発売は夏(日付は未定)
とある合衆国のトランプ砲
一方、5月15日付けで、米国大統領ドナルド・トランプ氏が、情報通信技術とサービスのサプライチェーンの保護に関する大統領令に署名しました。今後150日以内に詳細なルールが商務長官から発表されます。
大統領オーダーを遵守するとGoogle広報は発表しているので、今後数日の間に、AndroidのアプリケーションストアであるGoogle Playと、Google発の関連サービス(GmailやYoutubeなど)へのアクセスが停止されると思われます。
しかし、既に配布されているアプリケーションについては、どのような手段で取引を停止するのかについては決まっていないと伝えられています。
今後HUAWEIは、世界各地での苦戦が予想されますが、ヨーロッパ市場では存在感を発揮していただけにかなり派手にダメージを受けることが予想されます。
エンティティリストに登録されるHUAWEI
まず、重要なことは、HUAWEIは、今後数日内に、事実上、部品調達がむすかしくなるだろうと思われることです。
これは、米国商務省が、大統領令を受け、HUAWEIとその関連企業(68社)をエンティティーリスト(EL)に加えたためです。
ELに加えられるということは、その企業が米国の国家安全に関わる活動をしていると認定されたことを意味します。
これによりHUAWEIとその関連企業は、米国製品(物品・ソフトウエア・技術)について、輸出あるいは再輸出する場合、輸出許可が必要ない品目も含め、すべて例外なく事前の許可が必要となります。
また、基本的に許可が降りることはなく、原則不許可になるため、事実上、HUAWEIは米国製品を部材として調達できなくなります。
一時的(90日間ロールバック)なライセンスが発行。
これによりHUAWEIは、既存のネットワーク機器を維持するための米国商品を購入し、既存のHUAWEI端末にソフトウェアアップデートを提供できるようになりました。
したがって、2019年8月19日まで、HUAWEIは、米国製品を、既存の製品やサービスを維持するためならば、輸出あるいは再輸出することが可能となりました。
HUAWEI端末の今後
HUAWEIは過去、Androidコミュニティーへの参加を妨げる法的権限は存在しないという趣旨の発言をしていますので、Android Open Source Project(AOSP)を通じてAndroidを提供すると見られます。
一方、ロイター通信が伝えるところによると、グーグルはHuaweiに、独自のアプリやサービスを含むアクセス、技術サポート、コラボレーションの提供をやめるだろうとしています。
Intel、Qualcomm、Broadcom、Xilinxが相次いで取り引きを停止したとブルームバーグが報じました。
Intel、Qualcomm、Broadcomは予想できたけど、Xilinx?と思ったら中国向けのビデオストリーミングで協業。中国のサービスにも影響でちゃうのね…。
つまりAndroidOSそのものはオープンソースで手に入れられるので問題ないが、Googleのプロプライエタリソフトウェア(APKで配布されるもの)は制限されると思われます。
HUAWEIでは、このような事態に備え、独自のテクノロジを開発していると発表済みで、この緊急時対応計画の一部はすでに中国で販売されている製品に使用されているとのことです。
たしかに中国ではGoogleのサービスが一切利用できないわけですが、人口の関係でスマホの販売事態は非常に順調に推移していると言います。
P30 Proを含めた今後の新機種
Google Playからダウンロードして入手するGoogleアプリ(Gmail、YouTube、Chromeブラウザなど)は、そもそもGoogle Playへのアクセスが制限されるでしょうから、利用できない可能性が高いと思います。
しかし、初期設定時に、SIMを抜いて、Wi-Fi接続をスキップしてしまえば、とりあえず利用開始はできるので、プリインアプリのみで頑張るとか、APKファイルを自力でなんとかすることは、まぁまぁできるかもしれません。
既に手元にあるHUAWEIのスマホ
既に手元にHUAWEIの端末があり、既にGoogle Playにログイン済みである場合、引き続きGoogleが提供するアプリのアップデートをダウンロードできます。
For Huawei users’ questions regarding our steps to comply w/ the recent US government actions: We assure you while we are complying with all US gov’t requirements, services like Google Play & security from Google Play Protect will keep functioning on your existing Huawei device.
— Android (@Android) May 20, 2019
HUAWEIが出荷時にカスタムしてプリインしているHUAWEI社製アプリに関しては今後Google Playでのアップデートはできないと思われますが、GmailなどのアプリはGoogle Playを通じてアップデートされると思われます。
もちろん独自の方法でアップデーターを配布する可能性もあるので、問題は起こりにくいと思います。
残る謎
ELの効力が有効になる前に出荷してある分に関しては、どうなんでしょうか、気になりますね。
プリインしてある分は最新版に更新できないことは間違いないと思いますが、そもそも、商品として既に出荷済みで、ドコモに納品済みのP30 Proに関して言えば、取引後の製品に関しても効力発揮するんでしょうかね?
一般的な消費者であるわたしたちが、手に入れる時期は夏になるわけで、そうすると起動時の初期設定でログインできるかは疑問です。
ブートローダーのアンロックもELに入った企業の端末についてはどうなんですかね?だめな気がする。公式でブートローダーアンロックツール出すかも?そんな馬鹿なw