QualcommがSnapdragon888を発表しました。(875じゃなくて888にスキップしました)
おもな変更点は以下のとおり。
- CPUパフォーマンスの25%の向上
- GPUパフォーマンスの35%の向上
- およびISP、AIエンジン、5G接続による大幅な向上
これは(例によって)Snapdragon800シリーズ史上、最大のアップデートとなります。
パフォーマンス
Snapdragon888では、新しいCortexコアを使用、Snapdragon 865よりもパフォーマンスが大幅に向上しました。Snapdragon865と同様に、Snapdragon888は1+ 3 +4構成で8つのコアを使用しますが、今回は、3つの異なるコアを使用。
- 最大2.84GHzで動作するCortexX1コア(x1)
- 最大2.4GHzで動作するCortex A78コア(x3)
- 最大1.8GHzで動作するエネルギー効率の高いCortexA55コア(x4)
なかでもCortex X1コアは飛び抜けていて『Cortex X1はターボチャージャー付きのA78と考えてください。』とのこと。従来のAndroidでは見られなかったようなパフォーマンスが出せるようになりApple A14 Bionicにも対抗できるといいます。
さて数字的にはどのくらい良くなったかと言うと、Snapdragon888はSnapdragon865と比べ、パフォーマンスが25%向上。これはX1コアの性能によるもの。Snapdragon 888も5nmプロセスルールで構築されているため、チップセットの効率が大幅に向上します。コアはKryo680と呼ばれています。
ディスプレイパフォーマンスは、最大144HzでQHD +、60Hzで4Kを処理。
HDRコンテンツに関しては、HDR10 +、HDR10、HLG、およびドルビービジョンに対応。
メモリに関しては、メーカーは3200MHzで最大16GBのLPDDR5RAMモジュールを追加できます。
Wi-Fi接続に関しては、FastConnect6900システムにより、最大3.6GbpsのWi-Fi6スループットと6GHz Wi-Fi6E 接続に対応。
その他、Bluetooth 5.2、AptXスイート、NFC、GPS、Glonass、BeiDou、Galileo、QZSS、NavIC、およびSBASもあります。
ゲーミング性能
Snapdragon888では前世代と比べ、ゲームパフォーマンスが35%向上すると宣伝しています。
搭載されるGPUチップ、Adreno 660の最も優れた点は、優れた持続的ピークパフォーマンス。これにより長時間におよぶゲームプレイでもGPUがスロットル(機能低下)することはありません。
加えて、Snapdragon Elite Gamingスイートの新ゲームクイックタッチ機能では、タッチレイテンシが最大20%短縮、応答時間が大幅に良くなります。
また、Snapdragon888では、最新PCや最新家庭用ゲーム機で主力機能となっている可変レートシェーディング(VRS)を導入しています。
VRSでは、ゲーム開発者がフレームのレンダリングをより適切に制御できるようにすることで、GPUワークロードを削減するように設計されています。たとえば、オブジェクトの焦点が合っていないかバックグラウンドにある場合、そのフレームをより低い忠実度でレンダリングできるようになり、GPUリソースの大部分がフォアグラウンドオブジェクトのレンダリングに向けられます。
可変レートシェーディングは、視覚的忠実度に大きな違いを生むもので、モバイルでも実現するとなるとかなり胸熱。注目度が高いと言えます。
カメラ性能
搭載されるSpectra 580には、3つの14ビットISPがあり、1秒間に最大2.7ギガピクセルの光を取り込むことができます。これは前世代に比べて35%増加しています。
Spectra 580は、バーストモードで毎秒最大120枚の写真撮影、あるいは4K HDRビデオストリームを同時に3つ撮影することが可能。また、3つの異なる28MPカメラからの情報を一度に処理可能で、最大200MPの画像センサーをサポート。
もう1つの大変優れた機能は、クアルコム初の120fpsで4Kビデオを録画する機能です。最大30fpsで8Kを撮影する機能もありますが、これは昨年と変わりません。
また、HEIFに対応し、10ビットHDR画像を撮影する機能を展開しています。
接続性能(5G キャリアアグリゲーション)
Snapdragon865ではモデムが内蔵されていませんでした(5Gおよび4G接続をスタンドアロンのX55モデムに依存していました)が、Snapdragon888では第3世代X60 5Gモデムを統合、グローバルなサブ6およびミリ波接続を備えています。X55とは何だったのか。
ここでの際立った特徴は、FDD(周波数分割多重方式)、TDD(時分割多重)帯域でのキャリアアグリゲーションと、業界初の動的スペクトル共有です。これにより複数のバンドを活用し密集した地域でより高速な速度を提供できるようになりました。
速度的には、X60では、最大DL 7.5Gbps、最大UL 3Gbps
AI性能
Snapdragon888には、第6世代AIエンジンHexagon780が搭載。
これによりカメラにAIベースのオートフォーカスと自動露出を提供するようになりました。
エンジンの計算タスクは最大26兆回/秒(TOPS)になり、Snapdragon865の15TOPSのほぼ2倍になります。
発売時期
Snapdragon888を搭載したスマートフォンは、2021年第1四半期にデビューするとされています。
Xiaomiは、次のフラッグシップモデル Mi 11でSnapdragon888を使用することをすでに発表しており、他のメーカーも今後数週間で追随する可能性があります。
現在までに、14のAndroidメーカーがSnapdragon888を搭載した携帯電話のリリースに取り組んでいます。
- ASUS
- Black Shark
- Lenovo
- LG
- MEIZU
- Motorola
- Nubia
- Realme
- OnePlus
- OPPO
- Sharp
- Vivo
- Xiaomi
- ZTE